
神前式は、参進の儀(さんしんのぎ)から始まり、修祓・祝詞奏上・三献の儀・誓詞奏上・玉串拝礼・親族盃の儀という順で進み、挙式全体は約20〜30分で終わります1。
日本古来の形式を色濃く残す神前式は、神道の作法に則りながらも、厳かな雰囲気のなかに凛とした美しさがあります。式次第の意味を事前に理解しておくと、当日の感動がいっそう深まります。
神前式の式次第:全体の流れ
神前式の式次第は神社によって細部が異なりますが、神社本庁が示す標準的な構成は以下の通りです1。
| 順番 | 儀式名 | 所要時間の目安 |
|---|---|---|
| 1 | 参進の儀(さんしんのぎ) | 5〜10分 |
| 2 | 修祓(しゅばつ) | 2〜3分 |
| 3 | 献饌(けんせん) | 1〜2分 |
| 4 | 祝詞奏上(のりとそうじょう) | 3〜5分 |
| 5 | 三献の儀・三三九度(さんさんくど) | 5〜7分 |
| 6 | 誓詞奏上(せいしそうじょう) | 2〜3分 |
| 7 | 玉串拝礼(たまぐしはいれい) | 3〜5分 |
| 8 | 指輪の交換(行う場合) | 2〜3分 |
| 9 | 親族盃の儀(しんぞくさかずきのぎ) | 3〜5分 |
| 10 | 撤饌・退下(てっせん・たいげ) | 2〜3分 |
合計:20〜30分(準備・移動を含めると1時間前後)
参進の儀:神前式はここから始まる
参進の儀は、斎主(さいしゅ)に先導されて一行が本殿へと向かう入場の儀式です。
先頭に斎主(神職)、続いて巫女、新郎新婦、媒酌人(いる場合)、両家の親族という順で行列を成して歩きます。雅楽が流れるなか、白砂の参道を歩むこの場面は、神前式のなかで最も写真映えする瞬間のひとつです。
神社によっては、本殿までの距離や経路が異なります。雨天の場合の対応も含め、担当者に事前に確認しておくとよいでしょう。
修祓・献饌・祝詞奏上:神様への報告
修祓(しゅばつ)とは、大幣(おおぬさ)を振ってお祓いを行い、出席者全員の身を清める儀式です。
献饌(けんせん)は、神様へお供え物(神饌・しんせん)を献じる儀式。続く祝詞奏上(のりとそうじょう)では、斎主が神様に婚姻の報告と二人の幸せを祈る祝詞を読み上げます。参列者はこの間、頭を少し下げて静かに聞きます。
三献の儀(三三九度):夫婦の絆を結ぶ
三献の儀は、大・中・小3種類の杯でお神酒を3回ずつ飲み交わす、神前式の中核となる誓いの儀式です。
「三三九度(さんさんくど)」とも呼ばれるこの儀式は、奇数が縁起の良い数とされる日本の伝統に基づきます2。順序は以下の通りです。
- 一の杯(小):新郎が一口、次に新婦が一口飲む
- 二の杯(中):新婦が一口、次に新郎が一口飲む
- 三の杯(大):新郎が一口、次に新婦が一口飲む
巫女が杯にお神酒を注ぎ、斎主が指示を出すため、緊張しても流れに従えば大丈夫です。実際にはお神酒を少し口に含む程度でかまいません。
誓詞奏上:ふたりの誓いの言葉
誓詞奏上(せいしそうじょう)は、神様の前で結婚の誓いを読み上げる儀式です。
誓詞(せいし)には「神の前に夫婦となり、互いに助け合い、家族を守り抜くことを誓う」という内容が書かれており、一般的には新郎が読み上げます。近年は二人で声を合わせて読む形式を取る神社も増えています。
読み終えたら斎主に奉納し、神様への届けが完了します。
玉串拝礼:榊の枝で神様に祈る
玉串拝礼(たまぐしはいれい)は、榊(さかき)の枝に紙垂(しで)を付けた「玉串」を神前に捧げ、拝礼する儀式です。
作法は「二拝・二拍手・一拝(にはい・にはくしゅ・いちはい)」ですが、神前式では手を打ち合わせる際に音を立てない「しのび手(忍び手)」で行うのが基本です1。
玉串の受け取り方と回し方には手順があります。
- 斎主または巫女から玉串を両手で受け取る(根元を右手、葉先を左手で持つ)
- 神前に進み、玉串を時計回りに回転させて根元が神様に向くよう置く
- 二拝・しのび手で二拍手・一拝を行う
この動作は事前にリハーサルがあるため、覚えていなくても当日の案内に従えば問題ありません。
指輪の交換と親族盃の儀
指輪の交換は玉串拝礼の後に行われ、近年多くの神社で組み込まれるようになっています。
指輪交換を希望する場合は、式の相談時に神社へ申し出ておきましょう。洋装の教会式だけの慣習と思われがちですが、和婚でも洋の文化を取り入れることは珍しくありません。
その後の**親族盃の儀(しんぞくさかずきのぎ)**は、両家の親族全員がお神酒で杯を交わす儀式です。これによって「一族となること」が象徴的に示されます。席次は関係者で事前に確認しておくとスムーズです。
神前式の費用と人数の目安
神前式にかかる費用と参列規模の一般的な目安を下表に示します。ゼクシィ結婚トレンド調査(2024年版)によると、挙式を含む総額平均は343.9万円です3。
| 項目 | 一般的な相場 |
|---|---|
| 初穂料(挙式料) | 5万〜15万円 |
| 白無垢・和装一式レンタル | 15万〜70万円 |
| 参列者数の目安 | 20〜40名 |
| 挙式時間 | 約20〜30分 |
費用の詳細については神前式の費用・初穂料の相場で詳しく解説しています。和装の種類(白無垢・色打掛・引き振袖)については神前式の花嫁衣装ガイドをご覧ください。
参列者が知っておくべきマナー
神前式に参列するゲスト側にも、注意すべきポイントがあります。
- 服装:洋装・和装どちらでも参列可能。ただし白は花嫁の色のため避けるのが基本マナー
- 写真撮影:式中の撮影は多くの神社で制限あり。カメラマン以外は撮影禁止の場合も
- 着席のタイミング:斎主の案内に従い、指定の席に静かに着く
- 拝礼への参加:修祓の際は頭を少し下げ、玉串拝礼の際は参列席で一緒に礼をする
- 飲食:神聖な場のため、式中の飲食は厳禁
神前式の準備全体の流れや参列者の範囲については神前式・和婚の完全ガイドで確認できます。
神前式と披露宴をつなぐ当日の流れ
神前式は挙式のみで完結しますが、多くのカップルがその後に披露宴を行います。一般的な当日スケジュールは以下の通りです。
| 時間帯 | 内容 |
|---|---|
| 10:00〜 | 着付け・ヘアメイク(花嫁は2〜3時間前から) |
| 12:00〜 | 参列者集合・控室案内 |
| 13:00〜 | 神前式(約30分) |
| 13:30〜 | 境内での記念撮影 |
| 14:30〜 | 披露宴開始(約2〜3時間) |
| 17:30〜 | お開き・見送り |
神前式のみ(披露宴なし)のプランや少人数婚にする場合は、披露宴を省いて挙式と会食のみで構成するケースも一般的です。
まとめ
神前式の流れは「参進→修祓→献饌→祝詞奏上→三献の儀→誓詞奏上→玉串拝礼→指輪交換→親族盃の儀→撤饌・退下」の10ステップ。挙式は20〜30分と短いですが、それぞれの儀式に深い意味が込められています。
事前に式次第の意味を理解しておくことで、厳かな儀式の一つひとつが感動的な場面として心に刻まれます。当日は神職の案内に従えばスムーズに進行するため、緊張せずに二人の特別な時間を楽しんでください。
出典・参考文献
Footnotes
-
神社本庁, 神前結婚式について, 2025. https://www.jinjahoncho.or.jp/omairi/shinzen/ ↩ ↩2 ↩3
-
ウィキペディア日本語版, 神前式, 2025. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E5%89%8D%E5%BC%8F ↩
-
リクルートブライダル総研, ゼクシィ結婚トレンド調査2024, 2024. https://souken.zexy.net/research_news/marriage-wedding/trend.html ↩