
返信はがきは「御出席」の「御」を二重線で消して「出席」を丸で囲み、宛名の「行」を「様」に直すのが基本のマナーです。
結婚式の招待状には紙の往復はがきが同封されることが多く、返信面には「御出席」「御芳名」「御住所」など「御(ご・おん)」や「芳(ほう)」が付く敬語表現が並んでいます。これらは主催者側(新郎新婦)が招待客に敬意を示した表現であるため、自分自身を指す際にはそのまま使えません。正しい消し方と書き直し方を知っておくことが、社会人としての基本的なマナーです。
返信はがきに書く3つの基本ルール
まず大原則を押さえてください。返信はがきのマナーは次の3点に集約されます。
- 「御」「芳」は敬語なので自分には使わない — 二重線で消す
- 「行」は差出人の謙称なので「様」に直す — 書き直す
- 出欠どちらかを丸で囲む — 選ばなかった側は二重線で消す
これら3点を守るだけで、9割のマナーは押さえられます。以下のセクションでそれぞれの具体的な手順を解説します。
「御出席・御欠席」の消し方と丸の付け方
出席する場合は「御出席」の「御」を消し、「出席」を丸で囲みます。「御欠席」は全体を二重線で消します。
手順(出席の場合)
- 「御出席」→ 「御」を二重線(=)で消す。または「御」を消して横に「寿」と書く(より丁寧)
- 消した後の「出席」をペンで丸く囲む(鉛筆の丸は不可)
- 「御欠席」→ 「御欠席」全体を二重線で消す
手順(欠席の場合)
- 「御欠席」→ 「御」を二重線で消す。「欠席」を丸で囲む
- 「御出席」→ 「御出席」全体を二重線で消す
- 余白に一言添える(詳細は後述)
出欠それぞれの処理対照表
| 項目 | 出席するとき | 欠席するとき |
|---|---|---|
| 御出席 | 「御」を消す → 「出席」を丸で囲む | 全体を二重線で消す |
| 御欠席 | 全体を二重線で消す | 「御」を消す → 「欠席」を丸で囲む |
| 推奨の一言 | お祝いの言葉を添える | お詫びと理由を簡潔に |
「御芳名・御住所・御芳住所」の正しい消し方
「御芳名」は「御芳」の2文字を消します。「御住所」は「御」の1文字だけを消します。
ここが最も間違いやすいポイントです。消す文字の数が違うため、整理して覚えましょう。
| 印刷されている文字 | 消す部分 | 残す部分 |
|---|---|---|
| 御芳名 | 「御芳」(2文字)を二重線 | 「名」だけ残る |
| 御名前 | 「御」(1文字)を二重線 | 「名前」が残る |
| 御住所 | 「御」(1文字)を二重線 | 「住所」が残る |
| 御芳住所 | 「御芳」(2文字)を二重線 | 「住所」が残る |
| 御出欠 | 「御」(1文字)を二重線 | 「出欠」が残る |
「芳」は相手を敬う接頭語であるため、「御」と同様に自分への使用は不適切です。「御芳名」の場合は必ず2文字消すことを覚えておいてください。
宛名の「行」を「様」に直す方法
宛名面に印刷された「○○行」の「行」は、二重線で消して「様」と書き直します。
返信はがきの宛名(新郎新婦または式場の名前の下)には「○○行」と印刷されています。これは差出人(新郎新婦)が自分を低く表現した謙称です。返信する側は「行」を「様」に書き直すのがマナーです。
書き直しの手順
- 「行」を二重線(=)で消す
- 「行」の右横または下に「様」と書く
- 二重線は定規を使わず、手書きの斜め二重線が自然
連名宛(例:「山田太郎・花子行」)の場合も、同様に「行」を消して「様」と書き直します。
「御」を消す際の書き方:二重線 vs「寿」
「御」の消し方は二重線が標準ですが、「寿」と書き直すのがより格式高い書き方です。
二重線は「斜め二重線」が一般的ですが、水平の二重線(=)でも問題ありません。修正液・修正テープ・鉛筆での消去はマナー違反です。消す際は文字が読めない程度に丁寧に線を引くことが大切です。
比較:二重線 vs 寿
| 方法 | 格式 | 手間 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 二重線(斜め=) | 標準的・一般的 | 少ない | 友人・職場の同僚 |
| 「寿」と書き直す | 丁寧・格式高い | やや多い | 上司・目上の方・親族 |
| 修正液で消す | マナー違反 | — | 使用不可 |
招待してくれた新郎新婦との関係性によって使い分けるとよいでしょう。親しい友人なら二重線で問題なく、上司や親族への返信であれば「寿」に書き直す丁寧さが印象を良くします。
出欠以外の記入欄:メッセージ・アレルギー・同伴者
返信はがきには出欠確認以外の記入欄が設けられていることが多くあります。
メッセージ欄
空欄でも失礼ではありませんが、一言添えると新郎新婦に喜ばれます。返信メッセージの文例では、関係性別(友人・職場・親族)の具体的な文章を紹介しています。目安は20〜40文字です。
出席時の一言例:
- 「ご結婚おめでとうございます。当日をとても楽しみにしています」
- 「心よりお祝い申し上げます。素晴らしい式になりますよう」
欠席時の一言例:
- 「誠に残念ですが、やむを得ない事情により欠席させていただきます。お二人の門出を心よりお祝い申し上げます」
アレルギー・食事制限欄
記入欄がある場合は必ず正確に記入します。欄がない場合はメッセージ欄の隅に「食物アレルギー:○○」と明記してください。会場の調理担当者への重要な情報です。特に魚介・卵・乳製品・小麦・ナッツ類のアレルギーは明記が推奨されます。
同伴者・お子様の記入
家族や子どもの同伴が許可されている場合、人数と氏名を記入欄に書きます。夫婦・家族での連名返信では、代表者の氏名に続けて同伴者の名前と人数を明記するのが基本です。
欠席するときの書き方と添え書き
欠席の場合も、正式な書き方と心配りの一言が大切です。
基本の手順(欠席):
- 「御欠席」の「御」を消す → 「欠席」を丸で囲む
- 「御出席」全体を二重線で消す
- 余白に欠席理由とお詫びの言葉を書く
- 後日お祝いを送る予定があれば触れても構わない
欠席理由は詳細に書く必要はありません。「やむを得ない事情」「先約がございます」程度の表現で十分です。ただし嘘の理由を書くことは避けましょう。欠席時のご祝儀やお祝いについては招待状を欠席するときのマナーを参考にしてください。
神前式・仏前式など和婚の招待状返信
神前式(しんぜんしき)を含む和婚の招待状でも、返信はがきの書き方の基本は変わりません。ただし、「謹んで」など改まった文体のメッセージが好まれる傾向があります。
神前式では親族のみの参列が多く、返信はがきに「当日は心を込めてお祝い申し上げます」など格調ある一言を添えるとよいでしょう。ご祝儀の表書きや水引のマナーについてはご祝儀の完全ガイドもあわせてご参照ください。
返信はがきを出すタイミングと注意点
招待状に記載された返信期日(締め切り)までに投函するのが最低限のマナーです。
一般的に、期日は挙式の2〜3週間前に設定されています。届いてから遅くとも1週間以内に投函するのが理想的です。期日を過ぎてしまった場合は、まず電話で連絡を入れてから返信はがきを送りましょう。
返信はがきの送り方チェックリスト
- 追加の切手は不要(往復はがきの返信面は購入時に料金が含まれている)1
- ボールペンまたは毛筆・筆ペンで記入
- 黒または紺のインクを使用(カラーペン不可)
- 消せるボールペン(フリクション等)は使用しない
- ポストに投函するか郵便局の窓口へ
往復はがきの返信面は、はがきを購入した時点でそのぶんの郵便料金が含まれているため、追加の切手は不要です1。
招待状の種類別:紙とWeb招待状の返信の違い
近年はWebやLINEで送られる招待状も増えています。紙の返信はがきとは書き方が異なるため、整理しておきましょう。
| 形式 | 返信方法 | 「御」消しの作業 |
|---|---|---|
| 紙の往復はがき | はがきに手書きして投函 | 必要 |
| Web招待状(フォーム) | オンラインフォームで回答 | 不要(自動処理) |
| LINE招待状 | LINEのリプライまたはフォーム | 不要 |
| メール招待状 | メールで返信 | 不要 |
Web招待状やLINEでの返信では、フォームやリプライで出欠を伝えるため「御」消しの作業は不要です。Anatoleのようなウェブ招待状サービスでは、ゲストがスマートフォンから出欠・食事制限・人数をワンタップで回答でき、新郎新婦の手間も大幅に削減されます。
まとめ:返信はがきの書き方 重要ポイント一覧
招待状の返信はがきをスムーズに書くための要点をまとめます。
- 「御出席」→「御」を消して「出席」を丸で囲む(または「御」を「寿」に)
- 「御芳名」→「御芳」の2文字を消す
- 「御住所」「御名前」→「御」の1文字だけ消す
- 宛名の「行」→「様」に書き直す
- 選ばなかった出欠の選択肢は全体を二重線で消す
- ペンは黒・紺のボールペンか毛筆。修正液・鉛筆は不可
- 期日(消印有効)までに投函する
返信マナーを守ることは、招待してくれた新郎新婦への敬意を示すことでもあります。招待状の返信マナー全般では、このページで扱いきれなかった細かいシーンのマナーもまとめています。
出典・参考文献
Footnotes
-
日本郵便株式会社,「はがきの規格・料金について」, 2025年. https://www.post.japanpost.jp/service/send/domestic/mail/postcard/(往復はがきは1枚170円で、返信面の郵便料金を含む) ↩ ↩2